New Year Meeting '97

[New Year Meeting '97]


さーて、今年もやって来ました、年に一度の旧車のお祭り「ニューイヤーミーティング」。 全国から自慢の車がやってくるこのイベント、 今年も例年と同じく「横浜みなとみらい21」にある「ホテル・パシフィコ横浜」にて開催された。

1年で一番晴天率が高い時期とあって、今年もやっぱり晴れた。 雨のニューイヤーミーティングは、何年前のことだったろう? ちょっと思い出せそうにない。 とにかく憧れの車達を見るのは青空の下に限る。 (もっとも雨だとハナから来ない/来られない車が多いという話もあるが..。)

今年の開催は1/25, 26だったが、 例年土曜は基本的に特別展示のみであり、面白みに欠ける。 というわけで今年も日曜日(28日)に行ってきた。 早起きしてパレードに間に合うように行くつもりだったのだが、 Elanにちょっとしたトラブルがあって、 会場についたのはなんと12:00。 パレードも既に終っているし、目当てのスワップミートも期待できそうにないが、 せっかく来たことだし一通り回ってみた。。

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スワップミート

ニューイヤーミィーティング名物?のスワップミート。 素人さんから玄人はだしの人?まで、車関係のgoodsが所狭しと並ぶ。 目立つのは今年もプラモデルとミニカーだった。 後は国産車の部品(日産のL関係が特に多い)や英国車の部品等。

さすがに到着が12:00では掘り出し物は残っていないとみていい。 それでもこうして出店者の自慢の車を見ながら回っているだけでも、 それはそれでなかなか楽しいものだが..、おや?、むむ?、何か様子が変だぞ? いつもと雰囲気が違うような..、

「うおおお! 何じゃこりゃあ? 車が一台もないではないかあああ..」

冒頭の写真を見ておわかりのとおり、 今年からスワップミート会場がホテル側の広場に移ったために車の展示はなし。 従来の「これが僕の車だよーん、ついでに余った小物を売っちゃおっと!」的な雰囲気から、 「とりあえず色々持ってきたから買ってね」的な雰囲気に変わっているのである。

去年までのニューイヤーミーティングのスワップミートは車を見る楽しさもあったのに、 これでは何だか興ざめといった感が拭えない。 品物こそ違えど、これでは代々木公園と似たりよったりではないか..。

下を眺めながら歩いていると、見慣れたステアリングが目に止まった。

[Lotus Elan S2; Original Steering]
Lotus Elan S2用のウッドステアリングだ。 程度はそれほどよくはない。 ウッドが剥がれている部分があり、このままでの実用はちょっと無理っぽい。 申し訳程度に付けられた値札を見てみると、なんと12万円也! うーむ..、この値段はデッドストック並じゃなかろうか? ちなみにリプロダクションなら4〜5万円というところだ。 とりあえず目の保養だけにしておいて通り過ぎた。


結局今年はスワップミートでのお宝ゲットはなし。 不完全燃焼に終ってしまった。

特別展示

毎年テーマを決めて行なわれる特別展示。 今年のお題は、「オート三輪」と「マツダロータリー」。

[3 wheelers]
ふむふむ、オート三輪か。 祖父が建材屋をやっていたので、 遊びに行ったときによく乗せてもらったっけな。 懐かしいなあ..。まあ、僕のような若ゾーの感想はそのくらいのものだ。


一方では歴代のマツダロータリー車が勢ぞろい。 そう言えば去年('95)の夏頃、 マツダのロータリー部門がFordの意向で消滅するという噂が流れた。 その関係でお題がマツダロータリーになったのだろうか? コスモスポーツを見ていたら、久しぶりにウルトラマンが見たくなってきた。

室内展示

室内は業者さんのブースやクラブスタンドが立ち並ぶ。 蓮ファンにとって目につくのは、やはり蓮車を並べているお店。 (当たり前か。)

AC Mindsさんは今年も大量のGoodsを持ってきていた。 そんな中にLotus T/C用の外付けウォータポンブKitを見つけた。 Lotus T/Cの弱点であるウォータポンプをヘッドを降ろさずに交換可能にするKitだ。 噂ではよく聞くが、実物は始めて見た。 値段はよく覚えてないが、フロントカバー込みで20万円くらいだっただろうか。 これで加工精度がよければ買いなのだが..。またパーツの供給はどうなのだろう? 色々聞くことが出来ればよかったのだが、 既に店閉まいの片付けに入っていたので止めておいた。

East Angliaさんのブースには26Rが鎮座していた。

そして、今回のお目当ては何と言ってもPrestigeさんが持ち込んだLotus Eliseだ。 黄色のスタンダード仕様と、皮の内装など豪華仕様のグリーンとの計2台が置いてあった。 この文を書いている今('97/8)となっては、箱根にでも行けばEliseはそう珍しくはないが、 この時は始めてだったので大感激した。 LightweightなLotusの復活万歳! である。

[Lotus Elise]

やはり注目の一台、ひっきりなしに訪れる見学者の対応に忙しい中、 担当の方の1人が各部を懇切丁寧に説明してくれたばかりか、 2台ともシートに座らせてくれた。

広いサイドシルのおかげで乗降は非常にし難い。 が、一旦収まってしまえば室内はセンターコンソールがないためだろうか、 想像以上に広く感じる。 およそ現代の車とは思えない程スパルタンなコクピット。 (要するに何もない。) シフトの感触は良くはないが、まあこれはミッドシップの宿命だろう。 シートはよくもなく悪くもなし。 そして芸術品とも思えるアルミ削りだしのペダルは特筆に値する。 Lotus Elise..、うーん、悪くない..。 一つ難癖をつけるなら、余りに色気のないメータ周り。 よく言えばシンプル、悪く言えばチャチだ。

外観は元々二代目Europaとして開発が始まったこともあって、 Europaの意匠を強く感じさせるものだ。 特にスポイラーやエアインテークは47を思い起こさせる。 実はそれほど小さくないボディも、ぱっと見では小ぶりでとても愛らしい。

走っていないからまだ何とも言えないが、 止まっている姿を見る限りでは、やはりEliseは素晴らしい。 雑誌などの前評判どおりである。 が、しかし、実のところ、僕の心をクギ付けにしたのは その横にあったLotus 51なのである。 恐ろしく程度のいい51..。うっとりと眺めていたら、 Prestigeの方が話かけてきた。 しばらく51について話をしていると、「この51を買ったら?」などとおっしゃる。 「おおっ、何と売りモノでしたか!」と驚きつつ恐る恐る値段を聞いてホッと一安心。 絶対に買えない値段だった。

こういう場合、「無理すれば買えそうだが本当は買えない」 という値段を言われるのが一番困る。 何故なら本当に買ってしまうかもしれないからだ。 (いいかげんにしろよ。) 「買えなさそうだが無理すれば買える」と同じように聞こえるが、 よくよく考えてみれば全然違う。 とにかく、一発で無理だとわかる金額を言ってもらって非常に助かった。

念の為に言っておくと、決してPrestigeさんの提示した額が高過ぎたわけではない。 単に安月給の僕に買える値段ではないというだけの話。 国内でこの状態の51なら、おそらく妥当な値段だろう。 今のところ無理して売る必要はないが、もし売るならこれくらいでどう? といったところか。

そんなこんなでPrestigeさんのところに長居させてもらっているうちに イベント時刻の終了が近付いてきたので、 再び外へ出た。

外ではコンクールデレガンスの表彰式をやっていた。 日も暮れかけていて、 あーだこーだと文句を言った割には、結局今年も半日たっぷり楽しんだ。

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ニューイヤーミーティングはよい意味でマンネリである。 わけわからんクルマが横浜に集まり、 わけわからんモノを売り買いし、 わけわからんコトを懐かしむ。 毎年飽きずに同じことを延々と繰り返している。 でもそれで十分なのだ。だってお祭りなのだから。 箱根の大文字焼きだって、 毎年飽きもせず同じ山に同じ字を焼いている。

こういった旧車イベントがなかなか根付かない日本という国で、 ずっと同じ形でイベントが続いているという事実は素晴らしいことだと思う。 (去年のHCRも結局初回だけだったし。)

Elanを手に入れてからというもの、 僕にとってのニューイヤーミーティングはマイルストーンのようなものだ。 年末になるとこれを目標に整備を始め、年が明ければ車を磨いて心待ちにする。 出来ることなら旧車ファンの一大イベントとして未来永劫続いて欲しいと願っている。 (ちと大げさか。)

追記:
これを目標にして整備をしたからといって壊れるときは壊れる。 帰りもさんざんだった。 やれやれ..。


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Takahiro Asai (t_asai@yk.rim.or.jp)
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