悲しいことに「軽井沢遠征」で数々の不具合が判明してしまった。 しかしこれはポジティブに考えると 「露見した不具合をきっちり直せば、今後は軽井沢往復くらいは何てことはない」 とも言えるわけで、さらに遠出が何てことないなら 「日常の足代わりなんて朝メシ前」 なのかもしれないわけだ。
そんなElanが欲しいよー。そんなElanにしてみたいよー。
という訳で「日常の足となりつつ遠出も楽々こなせるElan」を仕上げるプロジェクト、題して、
「Elan補完計画」 (お約束...)
が発動された。
つまらない前置きはさておき、 数ある不具合のうち細かいところはすぐ直す / 気にしないことにすれば、 当面の問題となりそうな点は以下の2つである。
充電の問題はQEDさんに頼んでおいたオルタネータを待たねばならないので 水温の問題から始めることにする。 水量、ファン、電動ファン、 ウォータポンプ、ベルト等に問題はないようだし、 それらの周辺でここ最近変えた箇所も特にない。 理由がよくわからないので、水交換を兼ねてラジエターを外し、調べてみることにする。
まずは水経路に錆などによる詰まりがないかをチェックする。 方法は、昔Old timerの記事で覚えた 「ラジエターの下側の穴を手で塞いだ状態で水を満たした後に一気に開放する」というもの。 この時勢いよく水が噴き出せばよし、勢いがなければどこかに詰まりがあると考えられる。
やってみると、1度目は緑がかった白濁(というかグレーの)液がゴボゴボ出てきた。 2度目は色が薄くなり、3度目になると見た目には透明な水が勢いよく噴き出すようになった。 緑はもちろんクーラントの色だが、 白濁はおそらく水経路に沈澱、あるいは内側に皮膜となっていた錆止め成分のなれの果てであろう。 出来ればこいつをちゃんと落したい。
そこでモノは試しと近所の日用雑貨屋さんでサンポールを買ってきた。
十分希釈したサンポール溶液に数分ラジエータを浸した後、前述の方法により何度か水洗浄した。 液の色などに変わったところは見られなかったのだが、気分的に効いた気がするから不思議だ。
次にコアを見ると、ファン等が当たったのだろう、所々潰れている箇所がある。 当然潰れているところは風が通らない「死にコア」になるため効率が悪い。 少しならば問題はないが、全体的にかなり潰れているので修正を試みた。 潰れた部分を一つ一つ小さめのマイナスドライバーで破れないように丁寧に丁寧に持ち上げていくのだが、 材質がブラスで軟らかいので非常に気を使う、かなり根気のいる作業だ。
コアの修正が終了したら日陰に干して今日の作業は終了。
ラジエターもオルタネータも外してエンジンルームがスカスカになったので、 ついでにE/Gマウントを交換。 ちなみにSpyderスペースフレームの場合は純正のRHD側を両方に使う。
フロアジャッキに板をかませてエンジンを支え、右側、左側と交換して終了。
今日は晴れたのでラジエターの塗装を行なう。まずは錆の処理をするためにコアの部分をマスキング。
次にペーパ等で錆を落し、錆止めとしてzincを吹いておく。 zincが完全に乾いたらコアのマスクを外し、数回に分けてブラックで全体を吹く。
うーん、美しい。ホントにあのラジエターかいな?
ブラックが完全に乾いたら電動ファンを取り付けて車上に組む。 ホースを締めてクーラントを規定量入れて終了。 オルタネータが外れているので、水抜きは後日だ。
5/23にQED Japanさんにオルタネータを取りに行ってきたので、早速取り付け作業開始。 購入したのはMini用のリビルトオルタネータとプーリなど。
「プーリが外れにくいことがあるので、高い部品ではないので一緒に取っておきましょう。」
QED Japan Sさんの助言に感謝である。 (実際、ちょっとやそっとでは外れそうになかったのだ。)
写真の右が交換前のオルタネータ。左がリビルト品。 並べてみるとリビルト品の方が小さく見えるが、レギュレータのカバーが異なるだけで、 実際は重さ、形状ともほとんど違いはない。
しかし、取り付けてみると問題が発生。 下側のマウントはそのまま付けることが出来たのだが、 上側のステーがオルタネータのフェイス(取り付け面)と 面一(ツライチ)になってしまい合わないのだ。 測ってみると以前のオルタネータよりフェイスが2mmほど前に出ていた。
幸いなことにステーとフェイスが面一だったので、 今までのステーから汎用ステーを伸ばすことで対処した。 強度は全く問題なさそうだが、ステーが2本になるのでベルトのテンション調整が多少面倒になる。 まあ頻繁にする作業ではないし、とりあえずこのまま様子を見ることにする。
オルタネータが無事に付いたので、後回しにしていたクーラントのエア抜きを行なう。 フロントをジャッキで少し持ち上げて、ホースを揉み揉み。 そしてエンジンをかけて水を足していく。もちろんどこからも水洩れはない
エア抜きが済んだらそのまま電圧を測る。 1,500rpm辺りでしっかり14.5V出ている。 どうやらオルタネータ、レギュレータも問題なさそうだ。 数十Kmほど試走してみたが、電圧、水温、水洩れともに全く問題なし。 不気味なくらいに完璧だった。
こうして「Elan補完計画」は、約1カ月であっさりと完結してしまったのである。
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この後しばらくの間は、 細かなトラブルは相変わらずあったものの、 重大なトラブルの起きる気配はなく、 街乗りに、遠出に、競技にと、 Lotusライフを存分に楽しむことが出来たのだった。
つかの間の幸せ...。
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