ver 1.03
お金があり余っている人にバイヤーズガイドは必要ない。 ショップへ行き、そこにある一番程度のよさそうなElanを買えばよい。 気に入らない部分があれば、追金を支払って納得いくまで直させればよい。
信頼出来るショップ/メカニックを知っている人にバイヤーズガイドは必要ない。 希望と予算を告げてショップ/メカニックの推奨するElanを買えばよい。 よいショップ/メカニックならば、その車の欠点を隠すようなことはせずに 納得いくまで話し合ってくれるだろうし、買った後も十分面倒をみてくれることだろう。
相談できる友人を持っている人にバイヤーズガイドは必要ない。 Lotus車に関する深い知識を持った彼は、予算内で最高のElanを見つけてきてくれる。 残された作業はお金を払うことだけである。
このバイヤーズガイドは上のどれにも当てはまらない方々、 すなわち、
という目的を持つ人のために、 筆者の体験を基に書かれたものである。
もちろん最終的な判断は自分自身で行なうことになる。 バイヤーズガイドの情報はあくまでも参考程度に、 なるべくたくさんの情報を多方面から集めるように心掛けたい。
Elanを購入しようという人なのだから、すでにElanについて色々と知っていると思われるが、 今一度参考文献等でElanに関して調べておくことが望ましい。 必要以上に理論武装する必要はないが、 実車確認の際に混乱しないようElanのバリエーションとtype毎の相違点については最低限確認しておきたい。
当然人気が高いモデルほど価格は高く、 type別では26R等の特殊なものを除くとタマ数が少ないS1とSprintが最も高価で、 ほぼ同じか若干安い値段でS2、そしてS3、S4と続く。 ボディ形状ではFHCよりもDHC、LHDよりもRHDの方が若干高価である。
具体的な値段について、このページで「現在は幾らくらい」などとやってもほとんど意味がない。 まず第一に相場は日々変化するものであるし、 type、 店で買うか個人から買うか、 レーシング用かロードゴーイング用か、 車検のあるなし、 色、 レストアしてからどれくらい経っているか、 どの程度オリジナルの状態を保っているか 等の要因で千差万別であり、その全てについてここで説明することは到底不可能だからである。
現在のおおまかな相場を知る手っ取り早い方法は、、 本屋へ行きCar magazine等の雑誌を何冊か購入し、広告や個人売買欄を入念に調べることである。 それを数カ月続けるか、可能ならばバックナンバーを入手して同様に調べれば相場の推移を知ることが出来る。 広告を出しているショップが近くにあるならば、実際に足を運んで程度の善し悪しを確認してみるとよい。
Elanに限らずLotus車は主に英国または米国などからの輸入車であるから、 海外で車を探す場合はもちろんのこと、国内で探す場合も新聞の為替欄には日頃から注意しておきたい。
まずLotusに限らず中古車等を購入する際に行なう多数のチェックは当然全て行なわれなければならない。 以下、特にElanを購入する上でチェックすべき項目を挙げる。
錆はフロントのクロスメンバーとサスペンションを支持するタワーの接合部付近に発生していることが多い。
Elanの場合、ライトを上下させるために、 エンジンが回っているときはクロスメンバーとタワーの内部が負圧となっている。 従ってパイプやジョイント部に空気洩れがないならば、 ライトの上げ下げをすることで、この部分に錆などによる穴がないかどうか、おおよそのチェックができる。
応力がかかるところ、
などを重点的にチェックする。 同時にデフケースの耳部分にクラックがないことも確認する。
FRPなので錆の心配はないが、腐りは発生する。 塗装されているところはわかりにくいので、 エンジンルーム内やダッシュパネルの奥などの状態をチェックする。
細かい筋状のクラックは塗装のひび割れなのであまり気にせずに、 FRPに達する深いクラックがないことを確認する。
S1,S2は欠品がないか、S3,S4はスムーズに開閉するかを確認する。 実際につけてみるとよい。
タペット音が大き過ぎないか。チェーンがガラガラ鳴っていないかなど。
実際は水洩れや異音が認められるようではすでに末期症状なので、 可能であれば前回の交換時期を確認したところ。
エンジンが回っているとき、また止めてからしばらくして ひどいオイル洩れがないか確認する。
特にフロントカバー、ミッション、ヘッドとの接合部に注意。 またラジエターキャップを開けてオイルが浮いていないかを見る。
液洩れのトラブルが多い。 外観からは判断できないことが多いので、 しばらく走った後に液量が減っていないかを確認する。
正常に作動するかを確認する。 正常に動作しなくとも、 少なくとも全ての部品が組まれているかどうかだけは確認しておいた方がよい。
など。
すでに生産から30年程度経っているので、ほとんどの個体は何らかの改変を受けているとみてよい。 オリジナルに拘りたい場合はあらかじめtype別の相違点を調べておき、 欠品の多い個体は避けた方が無難。
ただし欠品パーツを探し出すことに生きがいを感じるタイプの人は、この限りではない。
以上、思いつくままに書いてみた。 このガイドが多少なりとも「一生愛せるLotus Elan」と巡り会う手助けになれば、それは筆者の最高の喜びである。
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